いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2012年6月8日金曜日

命の洗濯をIIアクアの巻

小さなキャリーバッグに最小限の荷物を詰めてホテルの正面玄関に立ったのは午後三時。チェックイン予定の五時まで時間があるのでクロークに荷物を預けようなんて話をしながらドアをくぐると、ドアマンがさっと視界に飛び込んできた。ここから出入りした事は何度もあるが、いつもはこんなことがないので正直驚いた。普段どんだけ気配を消しているんだキミは。忍者の如きドアマンは満面の笑み。「いらっしゃいませ。ご宿泊ですか。チェックイン…は後ほど?ではここでお荷物お預かりします。」その間一分もかからなかった。控えを渡すと彼はそよ風のように荷物と一緒にレセプション方面へと消えた。

他も魅惑のお品書き
ホテル入りして三歩も歩まず。たちまち身軽になってしまった私達。心も軽く、まずは本館17階ラウンジを目指そう。エレベーターを出るとそこにちょっとした待合スペースがあり、右手にバイキングレストラン「サール」左手には目当てのラウンジ「アクア」がある。日本でバイキング(ブュッフェ)スタイルの食事を出したのはここ帝国ホテルが初めて、なんて豆知識をご存知ですか?この日、待ち合いにいるお客のほとんどがバイキング待ちの方々でした。予約も入れずに飛び込んだ「アクア」ですが、アフタヌーンティーで評判のラウンジはやはり満席。先客三組の後になります、とのこと。しかしこちとら時間はたっぷりある。なんせ今日は帰らなくていいんだもんね。待ち合いの窓際に配されたソファに陣取り皇居外苑を眺めながらしばしご歓談ください状態。それもほどなく(三十分ほど)で名前を呼ばれていざ出陣。

ラウンジにはさすがにラフな格好のお客はおらず、お洒落にキメた奥様やお嬢さん方が大半。そんな中、大きなソファセットにはお見合い風の一同が会していたり、中央アイランド席には粋なスーツ姿の男女がかけていたり、あらゆるシチュエーションに対応できる座席が明るく広いフロアに配されている。さらにつき進んで扉を抜けた奥の間には少し抑えたトーンの空間が用意されていてその窓際の席に私達は通されました。アクア自体は日比谷公園にむけて突き出したウィングにあるラウンジですが、この奥まった部屋の突き当たりの窓からは国会議事堂の威風堂々とした姿が見えます。なんか久しぶりに肉眼で見ましたよ、国会議事堂。
お目当てのシャリアピンパイセットは調理に三十分かかるとのこと。いーよ、いーよ。時間はた〜っぷりあるからね。飲み物は照らうことなくビール!そうです。嬉しいことにこのセットは生ビールをチョイスできるんです。パイが焼けるまでの時間をビール飲みながら待つなんて幸せだな〜。ではパイが現れるまで、しばしシャリアピンパイの来歴などを。

伝統のコラボレーションセット」と題された一日限定15食のこのセット。帝国のポテトサラダとシャリアピンステーキと言えばどちらも逸話つきの歴史あるお料理。ロシアの声楽家シャリアピンが来日の折、肉が食べたいが歯の調子が悪い。どうしたものか、との要望に応えて時の料理長がオニオンマリネで柔らかく仕上げたステーキを提供。たいそう喜ばれ以来これをシャリアピンステーキと命名。このステーキをパイ皮に包んで「ガルガンチュワ」で販売しているのは知っていたが、買えた試しがないほどの人気商品。私が帝国ホテルの玄関くぐってまっさきにホテルショップに駆けつけるのはこうした人気商品が出てるか否かを確認するためでもある、えっへん。確認するだけで買いはしないんだけどね、おっほん。
などと言ってる間に来ましたよ。シャリアピンパイセット!本日はパンプキンのスープにベイビーリーフサラダ。奥に見えるのがポテトサラダとその手前にステーキソース。パイの大きさはショップ販売のハーフサイズとのことですが直径12センチほどでしょうか、中身がステーキなので中年女性には十分量。初老男性の旦那もビールが手伝ってか満足いく量だったと申しております。ポテトサラダは私には酸味がやや強め。すっぱいもの好きの旦那には大好評。スープは適度な甘さで私好み。葉っぱは…まあ葉っぱでしたwith フレンチドレッシング。さあ、いよいよパイに入刀です。切り分けるとパイ皮のいい香り。う〜〜旨い!パイ皮が!(^▽^)
なんというか、パイ皮の美味しさにステーキが負けた感。とにかくパイ皮が美味しい。抜きん出て美味しい。そういう意味において肉そのものを存分に味わうことがムズカシイ。これはステーキはステーキで、また別に食べに来なくちゃだわ。
さらに欲を言えば、このパイを冷めた状態でも食べてみたい。多分、パイと肉のトーンが変わって冷めても相当美味しいんじゃないかな、という予感。大変だ、ガルガンチュワに行って買ってこなくちゃだわ。
この世には、まだまだ美味しいものが私達を待っている。

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